演劇芸術家(卵)の修行日記

芸術としての人間模様とコミュニケーションについて。

ドストエフスキー「白痴」の稽古

明日からの舞台公演に向けて今日、劇場入りした。 今回は出番がないから気楽にいたら、急遽代役で稽古に上がることになった。しかも開始5分前に。勘弁してくれと思ったが、俳優修行としては有り難いことだ。 今回はドストエフスキー「白痴」の公演。「もっ…

サローヤン舞台初日を終えて

サローヤンの舞台「アレキサンドル・ドュマ以降のアメリカにおける詩の状況」の初日を終えた。 12月の稽古で上演延期を言い渡され創り直した芝居。作品世界を表現するために試行錯誤を繰り返した。パントマイムの要素を取り入れたり、一度は無声映画のように…

数ある芸術のなかで、なぜ演劇芸術を選んだのか?

って、考えて選んだわけじゃなく、出会ったってだけなのだけど、今日ふと思った。その答えは、 「ものすごくお金がかかる芸術だから」 じゃないだろうか、と。一つの側面としてね。 ミュージシャンが羨ましいな、と思う事がある。彼らは楽器一つ背負って、ス…

キャラクターの創造についてのフレームワーク(実験段階)

今日習った「キャラクターの創造」のメソッドにのっとって、過去に創った4つの役を振り返って、気づいたことを記す。 ①イワーノフ(チェーホフ作「イワーノフ」) 内的特徴:誠実さ、真摯さ 欠点:完璧主義、純粋さ、繊細さ 克服しようとしていること:依存…

役創りという仕事のおもしろさ、サローヤンの芝居の素晴らしさ

今日は、 僕の天職である『俳優』という職業がどれだけ面白く苦しく奥深く、今現在の僕がどれだけこの仕事を楽しんでいるか、という話を書きたいと思う。 今日はもう一つ、 天才と一緒に仕事をする職業がどれだけ面白く苦しく奥深く、今日時点での僕がどれだ…

家族ってなんぞや?

驚きの事実。Facebookでつながった人をカテゴリー分けする機能がある。僕のカテゴリーは、芸術家旅友達ビジネス関係コーチング仲間音楽仲間家族である。ちなみに最後の家族は、シェアハウスで同居していた友達をカテゴリーにいれている。今日前に住んでいた…

悩むことの意味

大好きな友達、空間演出家の響くんに久しぶりに会った。響くんはフジロックやサマソニなどの音楽イベントでのステージやエリア全体の空間演出をやっていたり、お祭りや野外フェスのデコレーションを生業としている。 響くんの作品(携帯だと見れない) http:/…

絶対不可侵領域。自分の魂だけの源。死んだキクが言っていた、世界はあるがままに美しいということ。夕陽が斜めに落ちていく。水面がひかりを映す。子供が凧上げをしている。雁が群れをなして青白い空を飛ぶ。枯れた花がくっつき虫になる。ギターの単音。向…

未熟すぎること

だめだ、頭デッカチだ。ここ最近書いてること、ただの思考、ただの論理だ。温度がない。大人。これはたぶん僕の悪いクセだ。 分かる事は、僕は技術と経験においてあまりにも未熟で無力であること。才能についても確信がないこと。不釣り合いなくらい使命感だ…

君が人生の時

今春やる芝居の作家、最も敬愛する劇作家ウィリアム・サローヤンの戯曲「君が人生の時」の前文を記す。 君が人生の時に、生きよ。そうすれば、やがて、その善き時の中に、君の人生にとりまた君の人生の触れる他の如何なる人生にとりても醜悪なるもの、死なる…

人間として生きること

アニシモフさんは俳優達に対して、舞台上では徹底的に人間であることを断固要求した。それはもう、首をしめあげるような恐ろしさと、張り裂けるような怒りと、実の子どもに対するような愛情でもって。 それを思うと、舞台の外でどれだけ人間として生きられて…

演劇習慣をつける

芝居の稽古や本番がない日々の中で、自主的に演劇芸術に関わる時間を作る。 まずはスタニスラフスキーの「俳優の仕事」を毎日少しでも読む習慣をつけようと思う。昨日今日は「想像力」についての章を読んだ。想像力は強いてはいけない。釣り糸を垂らして魚を…

年初めにとりあえず悩むことをやる

自分の人生の想定の範疇外の2013年が始まり、とりあえず悩む。 仕事とお金について、演劇と仕事について、演劇とお金について、だ。現状演劇で生活費を稼ぐことはできておらず、少なくとも短期的にそれは実現が相当難しい。となると演劇以外でお金を稼ぐ必要…

自分に詰まってる栓

新作舞台の劇場に入って4日目。朝から晩まで毎日稽古してちょっと疲れがでてきてるけど、自分の身体と心の内部でなにかが起き始めてる、生まれ始めてる感触が在る。 お昼休憩に外で唐揚げとおにぎりを食べた。すごい青空で、うっすらした雲が形を変えながら…

アンサンブル、演出家という産婆さん

昨日まんが「リアル」を読んだ。主人公の戸川が、成長の速度を望むあまり、個としの能力を伸ばそうとがんばるあまりにチームから浮き、歯車が噛み合わなくなるというような話があった。なんだか今の自分に重ね合わせた。 なんでだろう?僕は自分でがんばろう…

稽古徒然

12月の新作稽古が華僑に入っている。新しい芸術が産声を上げる、臨月。その痛み。有機的なものは、時間をかけて、エネルギーが注がれて、望まれて、産まれる。 思う事がたくさん色々在る。 「役」という奇跡。配役ってのは常に運命だ。なぜか人生のそのとき…

寝起きに芝居のこと考える

夜11時から昼の2時まで爆睡した。複数大量の夢を見て現実と区別つかず。腹が減ってメシを食おうと思うが何もなく作るのも面倒だが味噌汁作ろうと思う。喉が渇いたのでジュースを飲む。 そして思うが、寝て起きてメシ食って寝るために生きてるのではないとい…

シンクロナイズド東京トリップ

舞台パンフレット用の撮影を終えて、劇団のみんなでうどんを作って食べながらおしゃべりをした。これから創っていきたいもの、自分達の存在意義、などなど。基本的に一匹狼っぽくなっていた最近なので、なんだか新鮮で楽しかった。 なんとなくみんなとの別れ…

僕らが旅に出る理由

「僕らが旅に出る理由は〜だいたい100個くらいあって〜♪」 なんて歌があるが、僕がかつて旅に出た理由は1つしかない。 それは「世界の最悪の最悪の最悪を見たい。その原因の原因の原因をつきとめたい」ということだった。 小学生の頃からなんとなく気に…

悟空みたいな芸術エネルギー

今日の稽古はなんか、すごかった。 エネルギーがすごかった。 全身を震わせて発するエネルギー。 舞台に立つ俳優達が、 ドラゴンボールで悟空が戦闘力を全開に出すみたいだった。 家に帰って、 試しに今日のセリフを口に出して読んでみる。 新作舞台で弾くバ…

葛藤について

いま演劇が最高におもしろい。 娯楽ではなく、芸術としての演劇が最高におもしろい。 今日の稽古で演出家のアニシモフさんが言った。 「昨晩の稽古のあと、帰り道一人で歩いていて、私は思った。私はまったく自由ではない。そのために稽古場も、俳優も自由で…

行動するということ

今日も朝から舞台稽古。 稽古があるから、朝目が覚めた瞬間から幸せ。 下北沢に向かう電車の中からも、外の景色が劇的に映る。 今日は一度も出番はなかったけれど、 劇場空間にいるだけで精神が磨かれていく感じがする。 今日のアニシモフさんの言葉。 「よ…

演劇の奇跡を目撃した

12月の新作舞台に向けて稽古が始まって今日で1週間。 ドイツ人劇作家のブレヒトが戦時中の1945年に書いた、 「コーカサスの白墨の輪」。 今日は演劇の威力を目撃した一日だった。 朝11時から始まった稽古が夜9時に差し掛かった頃、それは起きた。 僕は舞台袖…

演劇芸術家として

今日で32歳になった。これを機に、演劇芸術家として言葉を書いていこうと思う。芸術ということ、芸術家ということ、きっと一生かけて追究していくのだろう。演劇芸術を志すことは、ある意味、出家するようなものだと思っている。俗世間の中で、しかも人前で…