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演劇芸術家(卵)の修行日記

芸術としての人間模様とコミュニケーションについて。

僕らがロシアへ旅する理由

「この世界は絶対なんかおかしい、自分には絶対なんかできるはず」

そう思い立って2006年26歳の時、サラリーマン辞めて2年間の世界放浪の旅に出て、2008年、自分なりのビジョンを持って帰国し、それから2年間理想と現実の狭間で何をやってもうまくいかず夜な夜なコンビニスイーツを貪るような現実逃避の日々を過ごし、しかし2010年、ロシア功労芸術家の舞台演出家レオニード・アニシモフ氏に出会い、背骨に電撃走り即決で弟子入りし、2011年、いきなり主役に抜擢されて東日本大震災の10日後に初舞台に立ち、翌年には3作品2つの主役を演じもしかして才能あるのかも...と調子に乗ったアホは再び五里霧中/暗中模索の日々に突入し、それから4年。2016年9月、初の海外公演の舞台に立ってきます。

今回の公演は、世界中の様々な国から劇団が集まる国際演劇祭「黄金の門にて」に公式招聘されてのもので、所属する劇団がロシア最大の演劇組織「ロシア演劇人同盟」の推薦を受けて参加できることになりました。ロシアの古都ウラジーミルでドストエフスキー作「idiot~白痴より~」を、首都モスクワで「儀式劇・古事記」を上演してきます。

劇団の芸術監督レオニード・アニシモフは言います。

「日本という国が持つ文化、日本人という民族が持つ資質が、いつか世界を変えることになる」

これこそ僕が2年間の世界放浪の中で目にし、手にしたビジョンで、何一つうまくいかず現実逃避しながらも失わなかった希望です。

演劇を始める前の20代の時、「日本の和の心、そんなんを具現化したい、それを世界に発信したい」みたいなことをぶつぶつ友達に話してたら、「抽象的で曖昧で、そもそもスタンスが甘い」ってなこと言われました。凹みました。コンビニで大福とシュークリーム食べました。生きる意味の見出せない日々でした。そんな日々の中誰にも理解されなくても、失わなかった漠然とした思いが、10年かかってようやく輪郭を帯び始め、ロシアの首都で儀式劇「古事記」の舞台に立つという機会を得ました。

古事記の舞台稽古で演出家アニシモフはこう語りました。

古事記における最大の事件は、祭りによって天照大御神が岩戸から出てくることではなく、天照が洞窟に隠れて世界が闇に閉ざされたときに、光がないことなど関係なく神々が歌い踊り咲(わら)ったことだ。」

この言葉を僕は現代社会と自分へのメタファーとしてとらえていて、この不穏な世情の中で僕がやるべきことはこれじゃないか!と。歌うように喋り、踊るように街を歩き、喜びを生きること、ガハハと笑って生ききることじゃないか!と。

 

ということで、お祭り男解禁です。
行ってきます。