演劇芸術家(卵)の修行日記

芸術としての人間模様とコミュニケーションについて。

2014-01-01から1年間の記事一覧

古事記稽古ログ

古事記稽古。一幕。宇宙開闢から、イザナギ・イザナミの神産み、国産みを通しでやる。演劇というより、完全に儀式。魂が浄化される感覚。アニシモフさんはそこにいるだけ。それだけで空間が宇宙になる。僕はほとんど座っているだけ。座って、内面でせっせと…

希望

十月の新作舞台「古事記」に向けての秋季初稽古で演出家のアニシモフさんが、近代から現代にかけてのロシア人からみた歴史を語ってくれた。人類が歩んできた道。19世紀初頭、そこには精神の生活があった。トルストイが登場し、ドストエフスキーが現れ、ツル…

回転

地球は同じ方へ自転し公転し、太陽系も銀河系も前方へ前方へ曲は始まれば終わりへ命も生まれれば死へ死へ向かって死へ向かってとりあえず死ぬまでは歌い踊るのだメシを食えば満腹にやがて空腹に月も満ちては欠け明日はは台風のスーパームーン京都の山奥にい…

真剣なものだけが美しい

「真剣なものだけが美しい」チェーホフ作"かもめ"劇団の先輩のTシャツのバックプリントに書いてあったその台詞、なぜか心に留まって、何かと思い出していた。「きみは主題を抽象的な思想の領域からとつてきた。当然のことです。なぜなら、芸術作品は必ず、何…

ジャンプ

真っ直ぐに突っ切らなければならない地平線の向こうを見て真っ直ぐに突っ切らなければならない言葉にしたことを未来から今へ手繰り寄せねばならないそれを手にしなければならないなぜ死ぬのかとなぜ死ぬと知っているのかとそれがいつだと誰が知るのかと知ら…

夢をあきらめないこと

ぜんぜん理由も根拠もないけど、僕は演出家になるしかないと思っている。人生なに一つうまくいかないし器用にやれない。才能なんてあるかどうか分からないしやってみんと確かめようもない。「30も過ぎて芝居なんて、遅いですかね...?」って先輩に相談したら…

演劇という山登り中のモノローグ

演劇芸術の頂。それはどこだろうか? オリンピックの金メダルみたいに、誰かと競うものではなく、僕自身が僕自身として、この人生で登ると決めた山の頂き。 僕はそこへ辿り着けるだろうか?辿り着くまでに、何回諦めそうになるだろうか? しかしなんと険しい…

記憶をとりもどす

僕は記憶を取り戻しつつある。 遠く忘れ去られた宇宙の彼方にある記憶。 なぜここにやってきて、なぜここに今生きているのか。 もう少し現世的には、なぜ僕はすべてを捨てて旅に出て、 いちばん居たくなかったこの国に根を下ろしたのか。 わけもわからず、無…

大雪のなか想像ツアー

13年ぶりの大雪が東京で降っている。 13年前というと2001年で僕はまだ大阪にいたから、僕の知る限り東京での最大雪だ。雪で仕事も休みになって、お茶を飲みながら川上未映子さんの「愛の夢とか」を読んでいた。 今日、うちの演出家のアニシモフさんがロシア…